2021年2月号
レンウォー!(こんにちは!)
コスラエ太郎の南国移住記・新連載の第22話は、コスラエ人の食生活についてお話します。
コスラエのフルーツを紹介した第14話で「コスラエ人が地元で獲れるものをあまり食べなくなっている。」とお話ししました。
コスラエには新鮮なフルーツはもちろんのこと、タロイモやブレッドフルーツ(パンの実)、マグロやカツオなど、地元で獲れる食材がたくさんあります。
しかし、コスラエ人が日常食べているものは、缶詰のスパムやコーンビーフン、冷凍チキンやソーセージ、インスタント・ラーメンやカップ・ラーメンです。
以前にコスラエ太郎がホームステイさせていただいていた家の食事は、
【朝食】インスタント・ラーメンまたは缶詰のスパム + 白いご飯
【昼食】カップ・ラーメンまたはスナック菓子
【夕飯】冷凍チキンまたは冷凍ソーセージ + 白いご飯
これがほぼ毎日でした。信じられないと思うかもしれませんが現実です。
ちなみに飲み物は、水やココナッツ(ヤシの実)よりもみんなコーラが好きです。
なぜこのような食生活になったのか?大きな理由は2つあると考えられています。
1つ目の理由は、戦後アメリカが統治するようになると、アメリカからの生活物資が入るようになり、輸入品を買えることが一つのステータスになりました。
輸入食品を食べられることが「豊かさ」と考えられ、誇示するためにゴミをわざと自分たちの家の周りに捨てていた時代があったそうです。
もう1つの理由が、輸入食品は調理が簡単だからです。私は、今日ではこの理由の方が強いと思っています。
インスタント・ラーメンやカップ・ラーメンはお湯を入れれば、缶詰スパムやコーンビーフンはフタを開ければ、冷凍チキンやソーセージは茹でれば調理が終わります。
一方、ローカルフードは調理が大変です。汗水たらして収穫し、半日から1日かけて調理し、ようやく一品の料理ができます。
日本では小学校から家庭科や保健の授業、または給食でバランスの良い食生活や栄養について学ぶ機会がありますが、コスラエの学校では日本ほど学ぶ機会がありません。
味の濃い輸入食品ばかり食べるようになり、肥満や糖尿病などの生活習慣病が増えています。
「食育」の大切さを改めて感じます。
最後に、現在でもローカルフードを食べる家庭はありますし、結婚式やパーティーのときには「これでもか!」というくらい、たくさんローカルフードが出ます。
「全く食べない」のではなく、「ローカルフード離れが進み、食生活が変わってきている」というのが実情です。
輸入品ばかりの生活により、生活習慣病の増加以外にも別の社会問題があります。
次号その問題についてお話しますので、その問題が何か皆さん考えてみてください。
カット・ファ・オーシュン!(またね!)
Comments