2021年3月号
レンウォー!(こんにちは!)
コスラエ太郎の南国移住記・新連載の第23話は、コスラエのゴミ問題についてお話しします。
先月号(第22話)でコスラエ人の食生活がローカルフードから缶詰や冷凍食品などの輸入食品に変わってきていると紹介しましたが、食生活の変化は生活習慣病の増加だけでなくゴミの問題も引き起こしています。
コスラエはしばしば「ミクロネシアの美しい島」と紹介されることがあります。確かに自然が豊かで、島の周りは美しいサンゴ礁に囲まれているとても美しい島です。
しかし、実際に生活していると目に付くのが島の至る所に捨てられたゴミです。
建物の周りや道路沿いには生活廃棄物が散らかっていて、島のあちこちに不法に投棄されたゴミの山があります。
コスラエ人がゴミをどこにでも捨ててしまう理由は、食生活の変化とゴミに対する知識・意識の低さが関係しています。
日本人は、例えば「ビニールごみ」と「生ごみ」の違いが分かると思いますが、それは学校教育や親の教えから学ぶからです。
コスラエの人々はもともとタロイモやブレッドフルーツ(パンの実)など、皮や食べ残しを放置していても自然に還るものばかり食べていましたが、輸入食品の缶詰やプラスティック製品は自然に還るまで大変な時間を要します。ビンやペットボトルも同様です。
先月号(第22話)でコスラエでは学校教育で「食育がほとんどない」と指摘しましたが、環境に関する教育もほとんどありません。
そのため、日本人が「ゴミ」と分別しているモノをコスラエの人々は平気でどこにでも捨てることが出来てしまいます。
コスラエでは Clean-up Day(クリーンアップ・デイ)という島をきれいにする行事が定期的にありますが、行っていることは「草刈」が中心で「ゴミ拾い」はあまり行われません。
コスラエ太郎が各家庭から出されたゴミを回収した際に気付いたことは、家庭から出されているゴミのほとんどが植物の葉や枝でした。
「グリーン・ウエスト(植物廃棄物)」と「一般的なゴミ」が区別されておらず、コスラエの人々のゴミに関する知識が不足していると感じました。
ここまでコスラエのゴミ事情についてお話してきましたが、ではコスラエはゴミ問題への取り組みがどこよりも遅れた島なのでしょうか?
実はコスラエはミクロネシア連邦の中で早くからゴミ問題に関して取り組みをしている島(州)です。
コスラエはミクロネシア連邦4州の中で先駆けて、埋め立て式(福岡方式)の廃棄物処分場を作り、ビンや缶のリサイクルを始めました。
日本から贈られた立派なゴミ収集車もありますし、ゴミ収集の制度もあります。
ただ、いずれもイマイチ機能していません。制度や設備はあるけれどもうまく機能していないのが現状です。
コスラエを観光する際、このようなゴミの問題や輸入品ばかり目立つ生活なども意識して見てみてください。
直面している問題を分かってもらえると思っています。
カット・ファ・オーシュン!(またね!)
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